
「コーヒーって、いくらにすればいいんだろう?」
開業準備を進めるオーナー予備軍から、リニューアルを検討している既存オーナーまで、メニューの価格設定に悩む方は多いと思います。
「なんとなく相場に合わせた」「原価の3倍にした」——そうやって決めた価格が、実は収益を圧迫していたり、逆に機会損失を生んでいたりするケースあったりするものです。
価格設定は感覚で決めるものではなく、手順があります。
本記事では、メニュー開発のプロの視点から、カフェの価格設定を「どう計算し、どう設計するか」を具体的な数字を使って解説します。
価格設定の前に:2つの「目標数値」を決める

価格を計算し始める前に、まず以下の2つの数値を決めておく必要があります。
① 目標原価率
原価率とは「売価に対して食材費がどの割合を占めるか」を示す数値です。
カフェの場合、一般的な目安は**30〜35%**とされています。
ただし、ドリンク主体のカフェは原価率を低く抑えやすく、フード比率が高いカフェはやや高くなる傾向があります。
まずは「自店の平均原価率の目標」を決めましょう。
② 目標客単価
1人のお客様が1回の来店で使う金額の目標値です。
たとえば「ドリンク1杯+フード1品で平均1,500円」と設定するのか、「ドリンクのみで800円」と設定するのかによって、個々のメニューの価格設計が大きく変わります。
この2つが決まってから、はじめて計算に入ります。
ステップ①:原価から売価を逆算する

最も基本的な計算式は以下のとおりです。
売価 = 原価 ÷ 目標原価率
たとえば、コーヒー1杯の原価(豆・ミルク・消耗品)が120円で、目標原価率を**30%**に設定した場合:
120円 ÷ 0.3 = 400円
これが「最低限確保すべき売価の目安」です。
ここで重要なのは、この計算はあくまでも下限の目安に過ぎないということ。
次のステップで競合相場と照らし合わせる作業が必要です。
ステップ②:競合相場と自店の価値を照らし合わせる

計算で出た価格をそのままつけるだけでは足りません。
近隣の競合カフェが同様のコーヒーを550円で提供していた場合、400円は「安すぎて逆にお客様に不安を与えてしまう」設定になりえます。
逆に計算上は650円になるメニューでも、地域の相場が500円止まりであれば、価格だけで敬遠されるリスクがあります。
確認すべき3点:
- 近隣3〜5店舗の同カテゴリメニューの価格帯
- 自店のコンセプト・空間・サービスが競合より優れている点(付加価値)
- ターゲット客層の可処分所得・来店目的
原価から逆算した価格と、相場・自店の価値とのバランスを見て、最終的な売価を決定します。
ステップ③:客単価から「メニュー構成ごとの価格帯」を設計する
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個別のメニュー価格を決めるだけでなく、「複数のメニューを組み合わせたときの客単価」まで見通すことが重要です。
たとえば目標客単価が1,500円の場合:
| 組み合わせ例 | 内訳 |
|---|---|
| ドリンク+フード | 600円(コーヒー)+ 900円(サンドイッチ) |
| ドリンク+スイーツ | 650円(カフェラテ)+ 850円(ケーキ) |
| ドリンク単体(高単価) | 1,500円(スペシャルティコーヒー) |
このように、「ドリンクだけで来るお客様」「フードとセットで来るお客様」それぞれの想定客単価を設計し、それに合わせて各メニューの価格を組み立てるのが、収益シミュレーションをおこなう上で重要であり、経営を安定させる考え方です。
特に重要なのは**「利益率の高いメニュー」を客単価のベースに置くこと**。
主にコーヒー・ティー類は、原価率を低く抑えやすく1杯あたりの粗利が大きい傾向があります。
「フードで集客して、ドリンクで利益を取る」という構造を意識しておくと、価格設計が構築しやすくなるのです。
ステップ④:心理的価格設定を活用する

同じ600円でも、表示の仕方によってお客様が感じる「割安感・割高感」は変わります。
心理的価格の工夫事例:
・端数価格:600円より580円のほうが安く感じる。ただしカフェの場合は「高品質感」を意識するなら、あえて切りのよい数字にするケースも
・アンカリング:メニューに高単価品(800円前後)を1〜2品置くことで、600円のメニューが「適正価格」に感じられる
・セット価格:「単品+100円でドリンクセット」のように、セット購入を促す設計は割安感を与え、客単価アップに効果的
ただし心理的価格は「あくまでも補助的な工夫」なため、原価・相場・客単価設計という土台が整った上で活用することで効果を発揮します。
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CREATIVE DEVELOPMENTでは、原価計算から客単価設計・メニュー構成まで、収益につながる価格設計を一緒に考えます。「今の価格設定が適正かどうか確認したい」というご相談も歓迎です。
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よくある価格設定ミス3つ

最後に、現場でよく見かける価格設定の失敗パターンをご紹介します。
ミス①:「なんとなく相場に合わせた」だけで終わっている
競合の価格をリサーチすることは重要ですが、それだけで決めると原価率が合わないことがあります。
必ず「原価からの逆算」もセットで考えること。
ミス②:全メニューを均一の原価率で設計しようとしている
実際には原価率が高くても「集客・話題性」のために必要なメニューもあれば、原価率を低く抑えて「利益を稼ぐ」メニューもあります。
個別ではなくメニュー全体の平均原価率でコントロールする発想が大切です。
ミス③:開業後に一度も価格を見直していない
食材の価格は常に変動します。
開業当初に設定した価格が、1〜2年後には原価率の上昇を起こしていることも少なくありません。
半年〜1年に1回は、原価率を再計算して価格の妥当性を確認することを習慣にしましょう。
まとめ:価格設定は「計算→相場確認→設計」の順で

カフェのメニュー価格は、感覚や「だいたいこれくらい」で決めるものではありません。
「原価からの逆算 → 相場との比較 → 客単価設計」という3ステップで設計することで、収益の根拠を持った価格を設定することができます。
開業前に価格設定をしっかりと固めておくことが、開業後に「売れているのに利益が出ない」という状況を防ぐ最大の予防策です。
こんな方は、まずはご相談ください
☐ カフェのメニュー価格をどう決めればいいかわからない
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☐ 開業前に原価計算・価格設計を一緒にやってほしい
CREATIVE DEVELOPMENT株式会社では、原価計算からメニュー構成・価格設計まで、収益につながる設計を一貫してサポートしています。
まずは無料相談からお気軽にご連絡ください。
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【執筆者】
CREATIVEDEVELOPMENT株式会社
代表取締役
伊藤栄一
飲食店メニュープロデューサー、カフェメニュー開発・開業支援
『メニューの開発実績500種類以上』『専門学校で講師の実績』カフェの現場で5年間シェフを歴任し、様々なメニュー開発を行う。開発メニューの中には、テレビや雑誌に取り上げられた事例も。

