考え方

販売価格と原価のバランス

 

 

以前、メニュー開発を進めていくにあたりぶつかってしまう食材に関するジレンマについてお話しました。

 

メニューを構成していくためには、ロスを出さないためのメニューも必要となってくるという内容でした。

 

理想を追求する姿勢はもちろん大切ではありますが、現実どうしてもそのような作業が必要となってきてしまうのです。

 

そして他にもそのような調整を必要とすることは多々あるのですが、もうひとつ代表的なものとして『販売価格と原価のジレンマ』というものがあるのです。

 

販売価格と原価のジレンマとは

 

 

カフェを開業するにあたり、はじめに想定客単価というものが設定されます。

 

その想定客単価に合わせて各アイテムの販売価格はおのずと決まってくるのですが、我々開発担当者はその販売価格に対して原価も合ってくるような商品を開発していくことになります。

 

そうなってくると使用できる原価も自ずと決まってきますので、その限られた原価の中で開発を進めていくのですが、当然理想通りの食材を使用した理想通りの商品というわけにはいきません。

 

例えば500円の商品を開発しようとした場合、おおむねの原価率は150円です。(※原価率30%で計算)

 

その150円の予算の中で500円の商品を開発しようと場合、使いたいと思っている食材が原価の関係で使えないことがよくあります。

 

魅力づくりと原価の天秤の中で

 

 

例えば500円の商品に高級食材を使おうと考えても、価格が合わなかったり使える量が限られたりして、使用することは現実的でないと判断せざるを得ない場合がよくあります。

 

そこで無理して高級食材を使おうとすると、500円で考えていた商品が800円で販売せざるを得なくなり、今度は想定客単価に合わなくなってきてしまうのですから悩ましいところなのです。

 

客単価が合わなくなってくると、ターゲット層にミートしなくなるのでそれはそれで大きな問題です。

 

だからといって安い食材だけえ使っていても良い商品はできませんので、その天秤の中で様々な食材を選定し、知恵を絞り、原価とのバランスを取りながら販売価格に見合った商品へと仕上げていく事が、開発担当者には求められます。

 

開発にはバランス感覚が必要

 

 

商品開発にはまず美味しさや魅力を生み出す能力が求められますが、販売価格に合わせ原価を調整していく能力も同時に求められます。

 

そのバランス感覚こそが、担当者に求められるスキルであり『 開発センス 』といえるのかもしれませんね。

 

※あわせて読みたい記事『 季節メニュー開発の流れ


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