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メニュー開発におけるOEM活用— 調理難易度を下げてオペレーションを安定させる方法

メニュー開発におけるOEM活用 —— 調理難易度を下げてオペレーションを安定させる方法

 

 

カフェや飲食店を開業する際、必ずといっていいほど直面するのが「どのようなメニューを提供するか」という問題です。

一見するとオリジナルにこだわった手作りメニューが理想的に思えますが、現場のオペレーションや人材状況を考えると、それだけでは運営が難しいケースも少なくありません。

特に「調理難易度の高いメニュー」をラインナップに加えたいとき、OEMを活用することで現実的な解決策を見出すことができます。


【OEMとは?カフェにおける位置づけ】

 

OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、自社ブランドとして販売する商品を外部の専門業者に製造委託する仕組みを指します。

飲食店においては、例えば以下のような形でOEMが利用されています。

  • パスタソースをOEMメーカーに製造委託し、自店で茹でた麺にかけて提供

  • 自家製のように見える焼き菓子やドーナツをOEMで仕入れ、店内で仕上げをして提供

  • スープやカレーなど、ベースとなる部分を外部で製造し、トッピングや盛り付けを店側で調整

こうした仕組みを導入することで、「オリジナル性を維持しながらも調理の手間を大幅に削減」することが可能になります。


【調理難易度が高いメニューのリスク】

 

開業時にありがちなのが、差別化のために「すべて手作りでこだわる」ことを目指してしまうケースです。
もちろん、コンセプトやブランドイメージによっては重要な戦略ですが、次のようなリスクも抱えます。

  1. 人材に依存する
     シェフや調理経験のある人材が欠けると提供が難しくなる。

  2. オペレーションが不安定になる
     仕込みや調理の手間が増え、ピークタイムに回らなくなる可能性がある。

  3. アルバイトや未経験スタッフが対応できない
     高度な調理スキルが求められるメニューは、パート・アルバイト中心の体制では再現性が低い。

  4. 原価やロスがかさむ
     仕込みの工程が多いと、食材ロスや人件費が増え、利益率が下がる。

このように、「魅力的な商品を提供したい」という想いがあっても、実際には店舗運営を圧迫してしまうケースが多々あります。


【OEMを活用するメリット】

 

では、具体的にOEMを導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

1. 調理スキルに依存しない

パスタソースやドーナツなどをOEMで仕入れることで、アルバイトや未経験のスタッフでも一定の品質で提供が可能になります。

2. オペレーション効率の向上

仕込みや調理時間が短縮されるため、ピーク時の対応力が上がり、回転率の改善につながります。

3. 品質の安定化

専門工場で製造されるため、味や品質がブレにくく、常に安定した商品を提供できます。

4. ロス削減・コストコントロール

半製品や冷凍品の形で仕入れることができるため、食材ロスを最小限に抑えられ、コスト管理が容易になります。

 


【具体例:OEM活用でできるメニュー展開】

  • パスタ
     麺は自店で茹で、ソースはOEMで仕入れ。具材を複数活用した横展開をすることで手軽にラインナップを広げられる。

  • ドーナツ・ベーカリー
     生地をOEMで仕入れ、店内で仕上げ焼きを行うことで「焼きたて感」を演出可能。

  • スイーツ(プリン・チーズケーキなど)
     ベースをOEMで仕入れ、トッピングや盛り付けを店舗独自にすることでオリジナリティを加える。

  • ドリンクベース(スムージー・シロップ類)
     仕込みをアウトソースし、店舗ではブレンドやアレンジを加える形で提供。

これらはすべて「自家製感」を残しながらも、現場負担を減らす工夫につながります。


【OEM活用の注意点】

 

便利なOEMですが、導入にあたっては以下の点に注意が必要です。

  1. ブランドイメージとの整合性
     “手作り感”を重視するコンセプトのカフェのような場合は、そのまま出すのは違和感を生む可能性があります。

  2. 原価の高騰
     手軽な提供が実現する反面、原価は手仕込みに比べるとグッと上がってしまいます。人件費とのバランスで検討が必要です。

  3. ロットや仕入れ条件の確認
     OEMは最低ロットが設定されていることが多いため、規模に合った仕入れ条件を事前に確認する必要があります。


【まとめ】

 

  • 調理難易度の高いメニューを導入したい場合、OEMの活用は有効な選択肢

  • アルバイトや未経験スタッフでも対応可能になり、オペレーションの安定化や品質保持につながる。

  • 一方で、ブランドイメージや差別化の工夫を欠くと「ただの既製品提供」に見えてしまうリスクもある。

カフェや飲食店の開業時には「全部を手作りする」のか「一部をOEMで効率化する」のか、そのバランスを見極めることが大切です。

つまるところ、現場オペレーションを理解したうえでのメニュー開発が、長く愛されるお店づくりにつながります。

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