カフェの形態には大きく分けて店内で飲食する「イートイン型」と、持ち帰りを中心とする「テイクアウト型」があります。
また駅ビルなどには、イートインとテイクアウトを複合したカフェをよく見かけますが、基本的にはテイクアウト型のカフェに席を設けている場合がほとんどです。
サードウェーブコーヒーのブーム以降、このテイクアウト型のカフェがとても多くなったように思います。
皆様の中にも比較的少額投資・少人数で運営しやすいという理由から、テイクアウト専門店としての出店をご検討されている方は多いのではないでしょうか。
もしテイクアウト専門店が開発できれば、駅ビルや商業施設などの出店も視野に入れやすいですよね。
とはいえその場合、イートインとテイクアウトではビジネスモデルが大きく違うのでメニューも全く同じというわけには行かず、テイクアウトに適したメニュー構成を組まなければなりません。
そこで今回のブログでは、「イートイン型のお店をテイクアウト専門店にアレンジ」するという観点から、テイクアウト専門店のメニュー開発行うにあたっての流れをお伝えしていきたいと思います。
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商品選定
競合ひしめくテイクアウト業界の中で戦っていくためには、商品に圧倒的な他社とは違う『目玉商品』がないと勝つ事が出来ません。
まずはあなたのお店の人気メニューを抜粋しながら業界動向や他社分析を行い、核となる目玉商品を選定を行ってください。
全体のメニュー構成は、その核となる目玉商品を中心として構築していきます。
その時に既存メニューではカバーしきれない商品が必要となった際には、新たな商品開発を必要とする場合も出てきますが、その際にも既存メニューだけですべて賄おうとは考えずに、お客様視点でその業態に合うメニュー構築を行う事を考えましょう。
基本的には新業態を作るつもりで、そこへ既存メニューのエッセンスを入れていくという考え方がちょうど良いのかもしれません。
またテイクアウト店は少人数のオペレーションが前提となるので、あまりに手のかかる商品は避けるよう注意が必要です。
商品改善
商品が選定できたら、商品全体を対象としてブラッシュアップを図ります。
味や見た目の要素は残しつつターゲットに合わせた価格やサイズ調整を行い、さらにはオプションや味のバリエーションなども検討していきましょう。
そしてテイクアウト業態で1番大切なのは、少人数で回せるスピーディーなオペレーションです。
イートインタイプではお客様の注文を受けてから調理に入るので、時間はかかりますがこだわりある商品を出来立てで提供できますが、テイクアウトの場合は短時間でスピーディーに提供する事を優先に求められます。
実際に体感してみると分かりますが、想像以上にお客様は待たされる事を嫌がります。
実際に待つのが嫌で、並ばずにお帰りになられるお客様もいらっしゃいます。
ですのでメニューの種類や味も場合によっては妥協しないといけない事が度々あり、ここを外してしまうとどんなに商品が良くてもお客様は離れていってしまいますので、時には妥協をして効率重視の考え方を優先させるようにしましょう。
商品の改善とはいえども、実際には新商品を開発するイメージに近いのかもしれません。
レシピ作成
少人数でスピーディーなオペレーションを行うには、出来るだけ簡単で単純なレシピにしなければなりません。
例えば、計量は行わずに「カップのここの線まで」とか「スプーンすり切れ一杯」などの細かな配慮も必要です。
また出来るだけ複雑な作業は事前の仕込みに回して、オーダーを受けてからは「混ぜるだけ」「盛りつけるだけ」などの、シンプルなレシピに仕上げる事を目指しましょう。
些細な事のように感じますが、このほんの少しの積み重ねがスピードアップに繋がりますので、できうる短縮はドンドン採用していきます。
このようにして、レシピは行列ができた時でもスムーズな提供ができる事を見据えてオペレーションを作り上げていくのです。
包材選定
包材選定は内容量や盛付けとも関連してくる部分なので、商品を改善を始める前のタイミングから考え出しましょう。
そしてここで頭を悩ますのが包材価格とデザインのバランスです。
包材は消耗品ですので当然安く済ませたいのですが、あまりに安さに注視してしまうと貧素に見えてしまうので気をつけましょう。
特に包材のデザインは、お店のブランディングにも関わってくる部分なので、少し高くても品質の良いものを使用したり、思い切ってオリジナルデザインのものを制作したりする事も場合によっては必要となります。
持ち帰りのお客様はSNSにあげてくださる確率も高いので、できる限りオシャレにデザインして写真を撮りたくなるような包材にしたいところですよね。
原価調整
イートインとテイクアウトの1番の違いは、原価に包材が上乗せされる所と言ってもよいのかもしれません。
今まで30%で出来ていた商品も、包材を上乗せする事で35〜40%、またそれ以上になる事もざらにあります。
ですので、原価率が上がってしまう分はFLコストのバランスで調整するしかありません。
少人数で効率の良いオペレーションを徹底追及する事で人件費を落とし、その落とした分を原価に回す発想で落とし所を見つけて行く事になります。
前項でお伝えした通りデザインも大切なのですが、ここに凝りすぎると原価が高くなりすぎますし、反対に原価を意識しすぎるとデザインがチープになってしまいます。
実際に業務を進めていくと、このバランスがほんと悩ましいところなのです。
オペレーションの構築
そしてテイクアウト専門店の最重要ポイントとなるのが、オペレーションの構築です。
商品改善やレシピ作成の項で、スピーディーな提供をするための土台作りをしてきましたので、ここからはその土台を活かすオペレーションを構築していかなければなりません。
基本的にテイクアウト専門店は少人数で運営する事が前提となりますので、例えばすでに準備してあるコーヒーがポットに入っていたり、完成されたサンドイッチをショーケースに陳列するなどでスピーディーに提供する事を考えます。
反対にお客様満足度を高めようと「出来立て」にウェイトを置きすぎて作業に時間がかかりすぎてしまうと、オペレーションが追いつかずにかえって満足度を下げてしまう事もありえます。
何度もしつこく言いますが、テイクアウト専門店ではお客様はこちらが考えている以上に待たされるのを嫌がりますので、その意識が強く持つようにしてください。
おわりに
イートイン型のカフェとテイクアウト専門店とではビジネスモデルが大きく異なりますので、その違いを理解した上でテイクアウト専門店を検討する事が大切です。
専門店などの小規模なお店ほどアイテム数が絞られていた方が専門性が高まりますので、その利点を生かしつつその絞られたアイテムのクオリティをしっかりと磨いていきながら、効率の良いスピーディーに提供のできるオペレーションを構築しましょう。
そしてその後の駅ビルや商業施設への出店開発も弊社ではご相談可能ですので、テイクアウト業態をお考えならば是非お気軽に問い合わせ下さい。
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