【飲食店開業】メニュー考案の『キホン』
飲食店開業を考える際、メニューの構築・商品開発は成功のカギを握る重要な要素です。
お店のコンセプトやターゲット層に合ったメニューを開発することで、顧客に喜ばれるだけでなく、リピーターを増やし、経営の安定につなげることができます。
飲食店である以上、メニューはお店の『核』であり、お客様満足度に直結する重要な役割を担います。
本記事では、飲食店メニューの構築・開発についてのポイントや成功に近づけるための秘訣について解説していきます。
1. コンセプトに合ったメニューを構築する
まずはじめに、飲食店のコンセプトを明確にすることが大切です。
たとえば、「日常使いのカフェ」「仕事帰りにフラっと立ち寄りたい家庭的な和食」「ハレの日に利用する高級イタリアン」など、お店のスタイルによって提供するメニューは大きく異なります。
コンセプトに合ったメニューを提供することは、顧客の期待に応え、かつ店舗のブランドイメージを強化することに繋がります。
ポイント:
• メニューはお店の雰囲気やコンセプトに合っているか。
• ターゲット層のニーズに合わせたメニューになっているか。
2. メニュー数は適切に
メニュー数が多すぎると、顧客がどれを注文してよいのか迷ってしまうだけでなく、スタッフ様の調理負担や廃棄等の食材ロスが増えてしまいます。
お客様ニーズを考え出すと、あれもこれもと必要以上のメニュー数になることはよくあることで、その好意が反対にお客様を混乱させてしまうことには気をつけなければなりません。
またその好意が仇となり、売れない商品も増えることで、食材が痛み廃棄することとなり経営を圧迫しかねません。
とはいえ反対に、極端に少なすぎると飽きられてしまう可能性がありますので、バランスの取れたメニュー数を考えることが大切です。
ポイント:
• 人気メニューと新メニューをバランスよく配置。
• 季節やイベントごとに限定メニューを加えて、常に新鮮さを保つ。
3. 原価と利益のバランスを取る
飲食店経営において、メニューの価格設定はとても重要です。
原価率を考慮しつつ、適正な価格設定を行うことで、利益を確保しやすくなります。
高すぎても顧客が離れ、低すぎても利益が減少するため、出店立地のターゲット層の購買力に合わせた価格設定を心がけましょう。
価格設定は自店の中だけの都合で考えるのではなく、競合との対比でも考えなければならないため、近隣の競合の価格帯などもリサーチしながらバランスを取ることも忘れてはいけません。
ポイント:
• 原価率を計算し、利益率を確認する。
• 食材の仕入れコストを見直し、無駄を減らす。
4. ビジュアルとネーミングにこだわる
メニューのデザインや写真、ネーミングも重要なポイントになります。
顧客にとってはメニューを見たときの第一印象が大切で、見た目や名前が魅力的であればあるほど、注文したくなるものです。
特に近年は、「映え」をキーワードとするSNSへの投稿があたりまえであり、その投稿が起点となりご来店に繋がることが主流となってきています。
美味しいだけでは集客ができない時代であるので、メニューのデザインや写真、ネーミングにも注視していきましょう。
ポイント:
• 食欲をそそる写真や説明文を添える。
• 親しみやすく、印象に残りやすいネーミングをつける。
5. 定期的なメニューの見直し
飲食店のメニューは、一度作ったら終わりではありません。
顧客の反応や売上データを元に、定期的にメニューの改善を行いましょう。売れ筋メニューを増やし、不人気なメニューを削除するなどで、PDCAを回し続けることが重要です。
メニューのニーズは、季節や時代のトレンド、近隣競合店の出店退店などで常に変化していきます。ですので、メニューは生き物だと思い、常に変化のアンテナを張り続けましょう。
ポイント:
• 季節やトレンドに合わせた新メニューの導入。
• 定期的なメニューの入れ替えや価格調整を行う。
まとめ
飲食店のメニュー構築・商品開発は、単に料理を並べるだけでなく、コンセプトやターゲット、利益率を考慮した戦略的な作業です。
顧客の期待に応える魅力的なメニューを作り、定期的に見直すことで、長く愛されるお店を作り上げることを目指しましょう。
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【執筆者】
CREATIVEDEVELOPMENT株式会社
代表取締役
伊藤栄一
飲食店メニュープロデューサー