カフェ開業

カフェ開業前に知っておきたい原価率の事

 

 

現在カフェ開業をお考えの皆様は、資金・物件・収支・事業内容など、様々な計画に追われながら日々過ごされているのだと思います。

 

主に個人で開業を目指す大半の方は、自己資金と合わせ公的機関からの借入れを行って資金を調達し、その原資を基にカフェ開業を進めているのではないでしょうか。

 

そうした場合、中でも重要視されるのは収支計画などの数値面であり、借入先へのプレゼンテーションでは細かな計画を話さなければなりません。

 

弊社は開業支援の専門家ではないので、総合的に何かをお伝えする事ができませんが(ただし弊社には提携する開業支援チームがおりますので、実際にはサポート自体行う事が可能です)、食材原価についての見解はお伝えする事ができます。

 

そこで今回のブログでは、一般的な原価率の目安や基準の設け方などについての考え方をお伝えしていければと思います。

 

原価率の目安とは?

 

 

一般的にな原価率の目安は、概ね25%〜30%と言われています。

 

収支計画を立てる段階では、実際の原価率が分かる訳ではないので、25〜30%の範囲で設定しておくのがベタな判断だといえるのかもしれません。

 

しかし計画の数値が理想に終わり『35%の原価率になった』なんて事はザラにあります。

 

実際に運営をしてはじめて分かる事ですが、原価計算に甘さがあったりロス管理がうまくできていないと、原価率はすぐに上昇してしまいます。

 

そうならないためにも、原価計算は一つ一つの食材のグラム単価を算出してそこからどの食材を何グラム使用するのかまで把握する必要がありますし、食材が傷んで廃棄してしまわないように仕込量を調整する日々の管理が必要になります。

 

また盛付けもできる限りその分量守って行う必要があります。

 

案外このオーバーポーションも、1つ1つは小さなものですが、積み重なると馬鹿にはできなくなってくるのです。

 

特に、オーナー自身が現場に立ち調理をする場合は脇が甘くなりやすいので、人一倍注意が必要です。

 

はじめに掲げる原価率はあくまで卓上の理論値だという考えを忘れずに、日々の管理を重要視しましょう。

 

原価率の基準の設け方

 

 

原価率を考える際、人件費も一緒に考える事が必要です。

 

いわゆるFLコスト(フードコスト+レイバーコスト)と言われるもので、一般的にはFLを合わせて55〜60%に収まるように調整すると言われています。

 

例えば、原価率が30%であれば人件費は25%〜30%に収めるといった形です。

 

具体的にお伝えすると、こだわり食材を使用するため原価率が35%になっても、少人数で運営ができ、20〜25%に人件費が収まる仕組みが構築できればオッケーだという事になります。

(例 : 売上が100万円のカフェであれば、原価が35万円・人件費が20〜25万まで使えるという考え方です)

 

ただし、この考え方はあくまで一般論であり、単純に人員数は変えずに売上が上がっていけば、人件費が下がりFLコストが下がりますし、家賃や諸経費などが抑える事が出来れば、もっと原価率をかけて商品力を強化するという考え方を持つ事もできます。

 

つまり方法は様々で、一般的に言われている55〜60%という数値を基準に持ちながら、オーナー自身が目指す全体の収支計画の中で、FLコストの立ち位置をどう考えていくかが重要になってくるという事になります。

 

原価率をコントロールするために

 

以上のように原価率をコントロールしていくためには、すべてのアイテムの原価率を算出し、原価率のリストを作成しなければなりません。

 

例えば弊社で使用している材料は下記のようなものです。

 

 

このような原価表を一品ごとに作成することにより、原価がおかしいものがないか予め判断できますし、レシピを作り上げていく際にコストを同時に意識する習慣をつけることができます。

 

案外数値管理が出来ていないお店様も多くいらっしゃいますが、原価率の管理ができていないと開業した後の分析ができなくなってしまいますので、手間を惜しまず作成するようにしましょう。

 

おわりに

 

 

開業前の数値面というのは、よく分からない中で借入先へのプレゼンテーションを行わなければならないので、一般的な数値を当てはめる形になってしまいますし、かつ少しでも良く見せがちになってしまいます。

 

ただ実際に開業してみると、その数値通りに最初からいく事はほぼありませんし、並々ならぬ経営努力の結果でようやく近づいてくるものです。

 

特にFLコストは、売上の中で半分以上を占める経費なので、ここのコントロールの出来次第で経営の安定性が変わってくると言っても過言ではないので、管理はしっかりと行っていきましょう。

 

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