『カフェの原価率ってどのくらい?』
カフェ開業を計画するにあたり、原価率をいったいどのくらいに設定すればよいのかと悩まれたりしていませんか?
我々のようなクライアント様のお店のメニュー開発をご支援させて頂く企業にとっては、原価率は収益に直結することなので味と同じくらい大事な要素として、常日頃からひと一倍気を配っています。
実際のところ原価率の算出方法は店舗様によって様々で一概に言えない部分ではあるのですが、一般的にはFLコスト(材料費+人件費)が55~60%が健全と言われており、そのFLのバランスの中で原価率を設定する事が理想とされています。
ただこのバランスの考え方も店舗様の方針によって変化しますので、これが正解というわけではありません。
例えば我々の場合でお伝えすると、時には原価をかけてでもクオリティを追及したいというクライアント様がいらっしゃれば原価率を40%近くかける場合もありますし、反対に利益率を重視したいというクライアント様がいらっしゃれば原価率を20%を下回るように商品開発を行うこともあります。
原価率を設定する際に考えるべきことは「経営全体の中で最適化を図る」ということです。
そこで今回のブログでは、そんな背景も加味しながら弊社なりの見解で考える原価率の設定方法についてお伝えしていきたいと思います。
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標準的な原価率とは?
一般的に、飲食店の原価率は30%程度が1つの目安となっています。
しかし30%というのはあくまで目安でしかありませんので、ここには様々な考え方を取り入れる事ができます。
例えば、効率的なオペレーションにより人件費を抑える事ができれば原価を多くかける事も可能になりますし、反対にサービスに力を入れて人件費を多くかければ原価は抑えなければなりません。
具体的にお伝えすると、原価率は40%であれば人件費を20%に。反対に人件費が40%であれば原価率を20%に。という感じです。
それがはじめにお伝えした『FLのバランス』です。
他にも、例えば『家賃が安い』や『販促に費用を使わない』など、諸経費にコストをかけずにその分食材に費用を回すことにより意図的に原価率を上げ、顧客満足度を高めるという手法を取る飲食店様もあったり、原価の高い商品と原価の低い商品を意図的に用意しトータルで原価率を合わせにいくなんて手法を取る飲食店様もいらっしゃったりします。
ですので30%を1つの目安に捉えておき、その上で貴店にあった基準を設けるのがベストだと我々は考えます。
原価率設定の注意点
もし30%を超える原価率を設定する場合には、しっかりとした『理由』が必要です。
先程お伝えした通り、『人件費が低く抑えられる』『家賃が安い』『販促に費用を使わない』などの理由があれば、問題ありません。
その分のコストを材料費に充て、顧客満足度を上げることが出来ます。
しかしよくありがちなのは、意図した理由もなく35%や38%の原価を慢性的にかけてしまうことです。
一見、35%や38%だと『ほんの少し』の違いに見えますが、それが積もり積もれば大きなダメージとなって返ってきます。
例えば1000円の商品で考えた場合、原価率を30%で考えた時の原価は300円、38%で考えた時の原価は380円となります。
その開きは80円です。
仮にこの商品が1日あたり50食出たとすると、そこに4000円の開きが出ます。
それを1ヶ月(30日とした場合)で換算すると12万円になり、1年に換算すると144万円です。
「ほんの数%の違いだから」と甘く考えてしまうと、年間で何百万円の損失となり経営を圧迫してしまうのです。
だからこそ原価率の設定は甘く考えずに、1%の違いにも厳しくなくてはいけません。
原価率の管理方法
そのような理由から、原価率はしっかりと管理しなければなりません。
弊社では下記のような『原価計算表』を使い、1商品づつ原価管理を行います。
※原価計算表
しっかりとした数値管理ができていなければ、「少し原価がかかりすぎているから配合を調整しよう」や「まだ原価に余裕があるから、品質の良い材料に変更しよう」など、コストコントロールを可視化して行うことができません。
また原価計算をせずに「大体これくらい」といった感じで勘を頼りに開発を進めてしまう『どんぶり勘定』を小規模の飲食店ではよく見かけたりもします。
どんぶり勘定ですとあくまで勘が頼りなので的確な数値情報はつかめません。
繰り返しになりますが、数%の原価率の違いが積もり積もれば年間で何百万円の損失となり経営を圧迫します。
ですので、開発を進める際にはどんぶり勘定はせずに、あなたのお店にとっての適正な数値を把握したうえでコストコントロールの意識を持つことが重要なのです。
おわりに
以上のように、1品の原価率のズレだけでこれだけ多くの金額の損失が出るのであれば、それが何品もあった事を考えると恐ろしいですよね・・。
とはいえ現実には先程例に挙げたどんぶり勘定ではないですが、数値管理がしっかりとできてなく原価率を正確に把握していないカフェは多く存在します(特に個人店に多いように思います)。
だから少しでも数字に気をかけていただき、原価率も含めてしっかりとコントロール意識を持っていただけると嬉しいですね。
ただし、原価率を意識するあまりに食材をケチってしまうと、反対に商品の魅力も減ってしまうリスクもあるので、バランス感覚を持って数値管理にぜひ取り組んでください。
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